この幸せを

めでたく　卒業補欠になり

朝から登校　そしてガッコ中巡り巡って

全教科の担当教師さんたちに合い

‥課題を出してもらう

みんな　優しい言葉をかけてくれた

厳しい言葉もかけてくれた

「これから」のことさえ　気にかけてくれた人もいた‥

私は本当に恵まれていたんだ　と思った

先生に　だけでなく

周りの全ての人に。

そう　思う


そんなガッコ徘徊ツアー中に　出会った　キミ‥

「あ〜、どうも〜」

なんて　笑いながら　話しかけてくれたね

もう卒業まで　話すこともないと思ってた‥

二棟二階踊り場で　ふつふつ　湧き出る　泡のように

少しずつ　少しずつ

緊張を解いていく　キミの言葉‥

話してることが心地よくなる　キミの笑い顔‥

もっと早く　こうしていたかった‥‥

そうしたら　もっと　仲良くなれていたかな

友達に　なれていたかなぁ‥


「友達になろう」と言ってくれたこと　本当に嬉しかった‥　なんて

恥ずかしいことを言ってる自分にも　その時は　‥気がつかずに‥

こうして　話している　その幸せに　あたたかい気持ちになりながら‥

「三年間彼女いなかった」と言うキミに

何故か　ほっとしてる　私の心

‥馬鹿だよね‥

一時間半も　話して　別れたけれど‥

キミの笑い顔は　癖になる‥

自分を持ってる友達のことを「格好いいよ。俺もあんな風になりたい」って

話していたけど‥

‥私は　小声で　きこえないくらいで「大丈夫だよ」としか

言えなかった‥

でも

本当は

怒る場所を知り　人間を知っている人ってのは格好良いよ

だから‥

‥だから

キミは　今のままで　格好良いよ

って　言いたかったのさ

そう言ったら　また　笑ってくれたかな‥


これが「高校生活」ってものなんだったら

卒業する前に　味わえて良かった…

叶わない　欲を言えば

本当に　もっと　早く

知りたかったよ‥


そのままでいればいいのに

それでも　この幸せを全部　合わせてもきっと

あの人に　一回だけ　笑ってもらえるの方が

頭を　ぽんって　触ってもらえる方が

私は　幸せを感じてしまうんだろうなぁ‥


‥　‥　‥

ホント　私は

馬鹿だと思う

早く　くぐり抜けたい　って

思っている“はず”の

トンネルなのにね‥

　　　

‥出口が　見えない‥